2020年03月29日

日本社会の歴史(下)

『日本社会の歴史(下)』
網野善彦 著
岩波新書 赤版502
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 (上)(中)(下)あるこのシリーズ本の中では、この本が一番ページ数が少ない。(上)(中)刊で見いだされたような、自分なりの疑問点、再発見したところも全くなかった。それまで割と横道にそれて提出されていた話題も全くなく、室町時代から一気に南北朝時代、桃山時代、江戸時代に話が進み、明治から大正、昭和は駆け足というより逃げ足と行った方が良いくらい話題も何も提出されていない。あちこちで何度も語られる、『百姓』が『農民』だけではなく、漁撈民、採集民、養蚕、陶芸、家具職人など、およそ百の職業を指すという意味合いが本来あった言葉なのに、明治以降の日本史教科書の中では、主に『農民』を指す言葉に変化しており、現代の教育者の中には、ほとんどが百姓イコール農民と考える学者が多い現状を憂える、網野先生の言葉が繰り返されていることが紙面をとおして、充分に感じられた唯一の感想である。

posted by coichi at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本古代史